androidというのはgoogleという会社が生み出したモバイルコンピュータ用のOSです。
単純にこの書籍について言うとすれば、「ネット時代の歴史書」と言えるでしょう。
グーグルという企業を中心に据えて、基本的にグーグルが登場する以前、そして登場、そして将来への展望というような構成を描いています。
コンピュータ系についてはマイクロソフト社が覇権を握っているという状況があり、新たな競争が発生してもマイクロソフト社が物量にモノを言わせた戦略で他社との競争に勝ち抜いてきました。
そこで、グーグルの登場。
「無料」というユーザーを強く惹きつける武器としており、マイクロソフト社に代表されるインターネット関係企業が危機感を持つのは無理もない。
確かにグーグルを使う、ということについては非常に便利さを感じる。
ただ、彼らの論理は法規に立ち向かっていくような傾向があるように感じる。
例えば書籍の全文検索をグーグルで手がけるというニュースが話題に上がったとき、
出版社などから著作権の侵害だという批判が強かった。
そこに対して、グーグルの主張としては、
「中身が検索できることによってユーザーのニーズが満たされることに資する。そして、ユーザーのニーズはその書籍の購入という形で満たされるので、企業にも利益が発生するもので企業に貢献する仕組みだ。」というわけだ。
話がかみ合わない。
事実、googleニュースというサービスを開始するに当たっては
同様のサービスが提訴されていたわけで、法的問題ギリギリのラインを猛進しているといえます。
この本の中で印象に残ったのはgoogleニュースについての記述で、
「大手紙だけでなく地方紙のニュースもあわせてピックアップされることで情報の発信地が分散された」
というものです(原文そのままではありません)。
このような変化がウェブ社会の構造を作り変えていくのだなと実感しました。
ただ、作り変えていく主体が1企業に限定されてしまうのは怖いのかなと。
そういった危機感の示唆が書籍の後半に記されています。
地図、ニュース、書籍検索といったように単一分野にとどまらず様々な分野で幅を利かせていくことになると今度はその支配的企業の意のままに情報を操作されてしまうこともありうるのかなと思います。
ただ、システムによって管理されており、人の手を介入させてないというのがグーグルの主張であり、強みだと考えています。
しかし、中国におけるグーグルの対応についてはその主張を政治的に捻じ曲げたような話もあったのでいささか疑問が残ります。
この書籍のタイトルのとおり、「破壊」するのでなく、「再創造」してもらいたいものです。

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